MENU
エラボトックスで老ける?老けたと感じる原因・対処法を解説!
エラボトックスは老けるって本当なの?
エラボトックスを打ったら老けた気がする…
エラボトックスは、一回の注射でエラ張り解消の効果に期待できる治療ですが、「老ける」などのネガティブな評判もあるため実際どうなのか気になるところです。
結論からいうと、エラボトックス自体に老化の副作用があるわけではなく、「老ける」という評判や口コミがあるのはエラボトックスによる皮膚のたるみが原因と考えられます。
そこで今回は、エラボトックスは老けるのかという点を詳しく解説したうえで、老けた印象がつきやすい人の特徴や対処法などもあわせて解説していきます。
「エラボトックスは老ける」という口コミを見て、実態が気になっている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
資格・経歴等
実績等
▼出演メディア
『世界一受けたい授業』(日本テレビ)、『深層ニュース』(BS日テレ)、『林修の今でしょ!講座』、『モーニングショー』(テレビ朝日)、『金スマ』(TBS) など
▼書籍
『ここ10年でこれだけ変わった!最新医学常識99』(祥伝社)
『血管を強くして突然死を防ぐ!』(すばる舎)
『「血管を鍛える」と超健康になる!』(三笠書房) など
その他出版物(Amazon)
▼ブログ等
ブログ:池谷敏郎 Official Blog
YouTube:池谷敏郎 Official Channel
エラボトックスは老ける?原因はたるみ
結論からいうと、エラボトックスの治療自体が、老化を早めたり加齢の症状を促進させたりするわけではありません。
エラボトックスで使用されるボツリヌストキシンの製剤は、医療現場でも使用されている筋弛緩剤の一種であり、筋肉の働きを抑える作用を持つのが特徴です。
ではなぜ「エラボトックスは老ける、エラボトックスで老けた」という口コミ・評判があるのかというと、原因は、エラボトックスのリスクの一つである「頬のたるみ」にあると考えられます。
エラボトックスの仕組みは以下のとおりです。
エラボトックスでは、エラ張りを解消するために、咬筋(こうきん)と呼ばれるエラ部分にある筋肉に筋弛緩剤を注入していきます。
注射のあと徐々に咬筋は収縮し小さくなっていくため、張っていたエラが目立たなくなり、エラ張り解消の効果に期待ができる仕組みです。
しかし人によっては、咬筋が収縮したことにより皮膚が余り、たるんでしまうことがあります。
結果、頬にたるみが目立ち、老けたような印象が出てしまう仕組みです。
「エラボトックスは老ける」と言われているのは、主に治療後のたるみが原因だということ理解しておきましょう。
エラボトックス自体が、老化を促進させる危険な治療というわけではありません。
エラボトックスで老けた印象がつきやすい人の特徴
エラボトックスでは、人によって老けた印象がつきやすいため、あらかじめ注意が必要です。
特に以下のいずれかの特徴に当てはまる人は、エラボトックスを打ったあと、老けた印象がつく可能性があるといえます。
- 40代以上の年齢の人
- 頬がこけている人
- 頬骨が高い位置にある人
- 骨格が原因でエラが張っている人
では、なぜ老けた印象がつきやすいのか、理由も含めて詳しく解説していきます。
40代以上の年齢の人
年齢が40代以上の人は、エラボトックスの治療によって老けた印象になりやすいです。
エラボトックスではリスクの一つとして「たるみの発生」があり、40代以上の人は、加齢の影響から皮膚がたるみやすい傾向にあります。
年齢を重ねると組織を支える筋力が衰えるため、皮膚は下に向けてたるみやすくなります。
そのためエラボトックスで咬筋が収縮し、皮膚が余れば、40代以上の人は若い人よりたるみが目立ちやすくなるのです。
結果、エラボトックスをしたあとに「老けた」という印象につながります。
頬がこけている人
もともと頬周りに脂肪が少なく頬がこけている人も、エラボトックスを受けると老けたという印象がつきやすいです。
原因の一つ目は、エラボトックスによってさらに頬がこけてしまう場合があるためです。
エラボトックスでは、筋肉の収縮により頬がこけたように見えてしまうことがあり、これもたるみと同様にエラボトックスのリスクとして挙げられます。
頬がこければ、人によっては「老けた」「疲れて見える」という印象を強く持ってしまうこともあります。
もともと頬がこけていたところから、さらにこけると、老けた印象は強くなるでしょう。
頬がこけるのとともに皮膚もたるめば、より老けた印象が持たれやすくなります。
頬骨が高い位置にある人
エラボトックスによって老けた印象がつきやすい人は、頬骨が高い位置にある人も挙げられます。
頬骨が高い位置にあると、皮膚のたるみや頬のこけが、通常よりも目立ってしまうおそれがあるからです。
エラボトックスの効果により、たるんだり頬がこけたりすれば、疲れて見えたりやつれた印象を与えたりする場合があります。
「頬骨が高いところにある」と言われたことがある人や、よく「疲れて見える」と言われる人などは、エラボトックスを打つ際は注意が必要です。
骨格が原因でエラが張っている人
エラボトックスで老けた印象がつきやすい人は、頬骨が原因でエラが張っている人も挙げられるでしょう。
そもそもエラボトックスは、エラ周りの筋肉が発達しエラが張っている人にしか、効果は期待できません。
エラボトックスは、発達した咬筋を小さくすることでエラ解消効果につなげる治療なので、骨格が原因の人・脂肪が多い人には意味のない治療となってしまいます。
骨格が原因でエラが張っている人がエラボトックスを打てば、皮膚のたるみだけが目立ってしまう可能性があります。
そのためエラボトックスを受ける際は、自分のエラ張りの原因を知り、エラボトックスが向いているか確かめることが重要です。
歯を「いーっ」としたときにエラ部分がふくらむかチェックし、筋肉が原因でエラが張っているのか確かめましょう。
自分自身で判断できないときは、事前に医師に相談することも大切です。
エラボトックスで老けた印象になってしまったときの対処法
エラボトックスで老けた印象になってしまったときは、以下の対処法を実践してみてください。
- なじむ場合もあるためしばらく様子を見る
- メイクでカバーする
- たるみが目立つときはたるみ治療を検討する
では、それぞれの対処法における重要なポイントや注意点などを解説していきます。
なじむ場合もあるためしばらく様子を見る
エラボトックスによってたるみが出た場合、しばらくは「老けた」という印象になりやすいですが、人によっては一時的なもので済むこともあります。
そのためたるみが目立ってしまったときは、いったん様子を見ると良いでしょう。
特に10代~20代の若い年齢の人は、皮膚に弾力があるため、咬筋の収縮に合わせて皮膚も収縮する可能性に期待できます。
しばらく様子を見ていれば、皮膚も収縮してなじむため、たるみも気にならなくなる場合があります。
エラボトックス後にたるみが出れば、確かに「老けてしまった」と慌ててしまいますが、まずは焦らずに様子を見てみましょう。
メイクでカバーする
エラボトックスにより、頬にたるみが出たせいで老けた印象が強くなってしまったときは、メイクでカバーする対処法もあります。
治療後にたるみが目立ってしまい、なじむまで様子を見ている間もメイクでカバーする方法は有効です。
ただし、ダウンタイム中に、注入部位の周りを強くこすったりマッサージしたりするのはNGです。
注入した製剤がほかの箇所にまで広がってしまい、エラ張り解消の効果を実感しにくくなったり、表情が不自然になったりする原因になります。
メイクをする際、特にダウンタイム中は、強くこすらないように注意してください。
たるみが目立つときはたるみ治療を検討する
エラボトックスによってたるみが目立ってしまい、老けた印象が強くなったときは、必要に応じてたるみ治療を検討するのも良いでしょう。
エラボトックスでエラ張りを解消し、あわせてたるみを抑えるために別の美容医療施術・治療を検討するケースは珍しくありません。
老けた印象が強くなってしまったときは、たとえば、以下のようなたるみ治療が検討できるでしょう。
- 医療ハイフ
- 光治療
- ヒアルロン酸注入
- 糸リフト
ただし、選んだ治療法によっては、エラボトックスとの相性が悪いこともあります。
同じタイミングで、たるみ対策として別の治療・施術を受ける際は、どのようなメニューが良いのか必ず医師に相談しましょう。
エラボトックスで失敗を防ぐポイント
エラボトックスで「老けた」という印象につなげないためには、事前に、失敗を防ぐポイントを理解しておくことも大事です。
エラボトックスには、「効果を実感できない」「表情が不自然になった」などの失敗事例もあります。
これらの失敗・後悔を防ぐには、以下の3つのポイントが重要です。
- エラボトックスの症例が多いクリニックを選ぶ
- 適切な量を注入する
- 定期的に打つ場合は頻度に注意する
では、ポイントを一つひとつ整理していきましょう。
エラボトックスの症例が多いクリニックを選ぶ
エラボトックスを打つ際は、エラボトックスの症例を多く持つクリニックを選ぶことをおすすめします。
症例の多いクリニックには、以下のようなメリットがあるためです。
- 症例写真を参考にしやすい
- VST認定医が在籍している場合がある
- 経験豊富なドクターに治療を依頼できる
症例の多いクリニックはたくさんの症例写真を公開しているため、エラボトックスを打つ際は、症例写真を参考にできます。
多くの症例数を保有するクリニックに在籍する医師なら、エラボトックスについて豊富な知識と経験を持つことに期待できるでしょう。
経験豊富な医師なら、適切な注入量と注入箇所をしっかりと見極めてもらえます。
万が一、経験の浅さから注入量・注入部位を間違われるようなことがあれば、効果を実感しにくくなる・表情形成がうまくいかないなどの失敗につながる可能性があります。
さらに、症例の多いクリニックには「VST認定医」が在籍している可能性もあります。
VST認定医は、エラボトックスで使用される製剤「ボトックスビスタ」を製造するアラガン社が行う、認定医制度です。
認定を受けるには、ボトックス注入に関する研修・セミナーへの参加などが条件となります。
そのため、「VST認定医=ボトックス注入において一定水準以上の技術力と知識を持っている」と判断できるでしょう。
以上のことから、症例の多い美容クリニックはエラボトックスを打つうえで、おすすめできるでしょう。
症例数や実際の症例写真をチェックし、治療を任せられるクリニックを選びましょう。
適切な量を注入する
エラボトックスでは、適切な注入量を見極めることも重要です。
注入量に過不足があると、エラボトックスが効かなかったり、反対に効きすぎたりする可能性があります。
エラボトックスの注入量は、エラまわりの筋肉の発達具合などから判断します。
たとえば、軽くエラ付近の筋肉が張っている人が60単位以上もエラボトックスを打つと、効果が強く出てしまう可能性があります。
咬筋が想定よりも小さくなると、たるみが目立ったり頬がこけたりする原因になるでしょう。
反対にエラまわりの筋肉が発達している人は、20単位ほどの注入量では、効果を実感できない可能性があります。
咬筋が軽く収縮するのみで、ほとんど変化がない結果になってしまうでしょう。
どの程度エラの張りを抑えたいのかなどの要望・目的によっても、注入量は調節する必要があります。
基本的に注入量については医師と相談して決める流れになるため、信頼できるクリニックを見つけ、的確な注入量を見極めてもらうことが重要です。
定期的に打つ場合は頻度に注意する
エラボトックスを定期的に打つ場合は、どのくらいの頻度で打つかにも注意しましょう。
頻度を誤った場合でも、効果を実感できなかったり効きすぎたりするおそれがあるためです。
エラボトックスを一回打つと、2週間程度かけて咬筋は小さくなり、半年〜1年ほど効果継続が見込めます。
そのため定期的にエラボトックスを打って効果を持続させるなら、筋肉の戻り具合を見ながら、半年に1回くらいの頻度が良いとされています。
一方で不必要に高頻度でエラボトックスを打つと、抗体ができてしまい、効果が望めなくなるおそれがあるので、注意しましょう。
また、人によっては効きすぎるせいで、たるみ・頬のこけなどの副作用につながる場合もあるでしょう。
エラボトックスで失敗を避けるには、適切な頻度を守って定期的に打つことが重要になります。
ちなみに、エラボトックス一回あたりの持続期間については、以下のアンケートも参考にしてみてください。
最も多いのは2か月~3か月、次に多いのが3か月~4か月なので、上記を目安としてエラボトックスを打つ頻度を考えましょう。
「今打って大丈夫かな?」と迷ったときは、医師に相談することも大切ですね。
エラボトックスに関するよくある質問
最後に、エラボトックスに関するよくある質問を紹介していきます。
「エラボトックスは老けるって聞くけど大丈夫?」といった不安や疑問を事前に解消し、後悔なくエラボトックスの治療を検討することが大切です。
- エラボトックスは打ちすぎると老けますか?
- 安いエラボトックスは危険ですか?
- たるみやすい人は骨削りのほうが良いですか?
では、質問の回答をそれぞれ紹介していきます。
エラボトックスは打ちすぎると老けますか?
エラボトックスは、打ちすぎたからといって、直接的に老化につながるわけではありません。
しかしエラボトックスを打つと、状況によってはたるみが出る場合があり、たるんだことで「老けた」と感じることがあります。
たとえば一度に多くの量を注入した場合、エラボトックスが効きすぎて咬筋が大幅に収縮することで、余った皮膚がたるんでしまう恐れがあります。
定期的にエラボトックスを打つ場合は、適切な頻度と注入量を守って注入していれば、たるみが出るリスクは軽減できるでしょう。
エラボトックスでは、適切な注入量・頻度を守り、さらに適切な部位に打つことが重要になります。
ただし、40代以降の人はもともと皮膚のたるみが出やすい傾向にあるので、適切な注入量でもたるんでしまう場合があります。
安いエラボトックスは危険ですか?
値段が安いからといって、安いエラボトックスのメニューは危険と一概にいえるわけではありません。
ほかのクリニックと比べて安いエラボトックスのメニューがあるのは、注入するボツリヌストキシン製剤によって、価格が異なるためです。
アラガン社製のボトックスビスタは、厚生労働省認可済みのボツリヌストキシン製剤で、価格はやや高めの設定となっています。
そのためボトックスビスタを使用するエラボトックスのメニューは、安いメニューと比べて高額になる傾向にあります。
一方で、ボツラックスやコアトックスなどの韓国製ボツリヌストキシン製剤は、ボトックスビスタと比べると安価なことが特徴です。
そのため数千円くらいの安いメニューの場合、使用される製剤は韓国製の製剤が多いといえるでしょう。
このように製剤自体の価格が関係しており、安いから危険、高いから安全とは一概にいえないのです。
とはいえ、やや高めの価格設定であるボトックスビスタは、ボツリヌストキシン製剤の中で唯一厚生労働省の認可を持ちます。
「ボトックスビスタか韓国製ボツリヌストキシンか」で迷う場合は、予算内で利用できる製剤を選ぶのも1つの手段です。
たるみやすい人は骨削りのほうが良いですか?
頬がたるみやすい人は、エラ張りを解消するうえで、切るエラ治療である「骨削り」も選択肢の一つにはなるでしょう。
骨削りは、物理的に骨と筋肉を削って輪郭を調整する治療のため、エラボトックスと違って半永久的な効果が望めることが魅力です。
骨格が原因でエラが張っている人も、骨削りなら、エラボトックスと違って効果が望めると考えられます。
しかし、骨削りには、以下のようなデメリットもあります。
- 身体的負担が大きいためダウンタイムが長い
- 治療費が高い
- 神経損傷、左右差などのリスクがある
- 理想どおりのフェイスラインにならない場合もある
直接的に骨と肉を削っているため、修正が効きにくいこともリスクの一つです。
また、骨削りであっても結局皮膚が同じように収縮してくれないケースもあるので、たるまない保証はないでしょう。
たるみを避ける対策として、骨削りを選ぶことは、必ずしも最善策とはいえません。
デメリットも多いため、どの治療法が良いのか・たるみを防ぐにはどうすれば良いのかなどは、医師とよく相談しながら治療方針を決めましょう。
【まとめ】エラボトックスで老けたと感じる原因・対処法
「エラボトックスは老ける」という口コミがありますが、エラボトックス自体が老化につながるのではなく、原因は治療後のたるみにあると考えられます。
一部の人は、エラボトックス後に頬がたるんでしまう場合があるため、あらかじめ注意が必要です。
たるんだり頬がこけたりして、老けた印象が強くなってしまったときは、しばらく様子を見ながら適切な対策を検討しましょう。
また、注入量や注入箇所のミスによってエラボトックスで失敗するケースもあるため、失敗を防ぐポイントも意識してみください。
エラボトックスは注入量や注入部位を的確に見極めることが重要なので、経験豊富な医師が在籍するクリニックを選びましょう。
・アンケート調査概要
調査日:2024年2月21日〜2月24日/調査方法:インターネット/調査対象:エラボトックスを受けた経験のある男女100名/調査結果
【参考文献】
・公益社団法人 日本美容医療協会
・新医薬品として承認された医薬品について(厚生労働省)
・確認してください!美容医療の施術を受ける前にもう一度!|厚生労働省
・ボツリヌス毒素製剤を用いての治療は、承認医薬品ボトックスビスタ®の使用を|日本美容外科学会
・美容医療診療指針(令和3年度改訂版)
・ボツリヌス治療|J-Stage(目崎高広 著 · 2018)
・ボトックスビスタ注用50単位 | 今日の臨床サポート
コメント